きようなできごと

記憶力が足りない

しょうせつ

触手をトントントン

家で晩ごはんをつくろうか と思っていた時 電話がかかってきた 「いま、大丈夫?」 妻からだ なにかあったのか 「なんか、スマートフォンのプラグのとこから 触手が出てきて」 「ははあ」 「なんか気持ち悪いんだけど、対処法わかる?」 「いまどこ?まだオ…

もう動けないけれど空は飛びたい

かつて憧れていた人が亡くなった だが かけつけることはできない それを知ったのは インディーズのバンドの情報を ツイッターでながめていたら それについて その人がコメントしているのを 偶然にも発見したからだ だから フォローもしてない でもだいたい毎…

まだ輪に入れてもいなかった

同じ趣味の仲間ができた それも自分よりも若い人たちだ それを 同年代の知人に話すと 「おじさんに暴れられるとこまるから 気を使われてるだけじゃないの」 と言われた そういうツイッターの投稿もあったな 確かに 雑にあつかわれているとも 思えていたので …

こどもの声

土曜の昼間 近所のこども達の声がする ときどき 笑い声と盛り上がりが 頂点に達した時 爆発的な音がする まあまあ、うるさい でもまあ どうしようもないし 仕方ない 次の週の土曜 やっぱりその日も こども達の声が爆発的だった だが その日は違った 一度目の…

だれも助けてはくれない

「あれ、お酒飲んでないの?」 「そうなんですよね、飲めないんで」 「車できてるとか?」 「いえ、体質です」 「そうなんだ」 「やはり、帰ったほうがいいですか?」 「え、いや大丈夫だけど」 「ああ、ですよねよかったー」 「前の職場でなにか言われたり…

愛は永遠

あなたは、いまもあの頃のままね 近所の奥様たちは 自分のだんなが老いていくのを 誰もがなげいている もちろん、自分をたなにあげて でもね あなたは、あの頃のままね わたしはやっぱり 間違ってなかったと思う わたしの決断は正しかった でもね 時々は思う…

潮のかおりは借金に似た

部屋に帰った時少しだけいつもより薄暗い気がしたがまあ、そんな日もあるかと思いながらあかりのスイッチに手をのばすとその手首をなにものかにつかまれそのまま、床に顔を押し付けられるかたちで押さえつけられたそしてくちのあたりに布を当てられて気を失…

となりの部屋のヤツがとにかくうるさい

俺はいらだっていたとなりの部屋の住人がとにかくうるさい 現代にはめずらしくもひっこしのあいさつにやってきた時はじめて会ったがやせ型のおとなしそうな男だったのに 夜になると部屋の中で暴れだすようで長く続くことはないがうるさいことはうるさい うち…

ストーカーが見てる

最初は手紙だったという 「なんか変な手紙きちゃって」美容師のエムさんは同僚に手紙をみせたそこには 「はじめてみたときから君のことが」 という文章ではじまる熱烈なラブレターだった 「え、これラブレターじゃん」「へえ、誰からなの?」まわりは歓喜の…

重要なビデオ映像

最近はね 暗い部屋でひとりでいてね テレビはつけたまま ひざをかかえてね なにかはじめ妖刀ね 怖い話のテキストを 読んだり その朗読の動画を見たり しているんですよね 怖い話に 限らないんだけど やっぱり これあきらかに創作じゃん っていうの あるんで…

規制

明け方の部屋の中 俺は眠れないでいた あいつの事が あたまから、はなれない テーブルに置いた 端末を手に取り SNSのアプリをひらく 言ってやらなければ ならない 手がふるえる その時 うす暗かった部屋が 外から照らされた 「なんだ?」 ドアが蹴破られて …

おかしな地震の話

先日、こういう話を聞いた ある地方で 大きな地震がおきた 特別被害はなかったのだが あるコンビニだけ 屋根が崩れてしまったが 店員は逃げ出して無事だった ただ 崩れた屋根のすきまに おそらく店にいた客(Aさん(仮名))が 半日ほどとじこめられていて すぐ…

タピオカのブルース

「俺、なんていうか怖いんだ」 キョウコが席に座ると すぐに、マサルは話しだした なにしろ タピオカが怖いという 「なんか、イモをなんかするとできるらしいよ」 どこかで聞いた話を キョウコは思い出した 「それ本当か?きっとなんか他の星から 来ているん…

きょうは誕生日

「そんな事できるわけねえだろっ」 僕は握りしめたナイフを 手首に押し当てた 白い壁に血しぶきが の予定 そんなに、出ない血 なにしろ痛い 痛すぎてひざをつく 結局、いつもそうだ あの時も、その時も なんか血をみていると せっかく買ってもらった ロボッ…

雨をよけながら

雨をよけながら 君に会いに行くぜ 当たったら死ぬ雨 そういう設定 家からずっと 軒先あったけど 駅前広場で詰んだ だから あっちの 家賃15万に 住めばよかったのに 来た道を帰り 結局濡れた ※ 2番は 自由にラップで

さくらの木下

さくらを見ながら 「あと何回、一緒に見られるかな」 と彼女は、言う 僕は 答えられずに ただ、桜の木を見上げた

仮に私が太陽を超える存在になったとしても

What are she got over sun need now attend more out you geek need two late take know hard day's night meets gift one totem paul mood read What's kind core need one michael and

半透明

大切な鉄道模型コレクションを 処分した次の日 お父さんは、だいたい半分くらいになった なにが? からだが半透明になったのだ それでも お父さんは あまり気にしていない様子だったから わたしもなんだか笑った でもそれから お父さんの存在感も半分くらい…

バス停で、あと60分

ああ、1時間 さっきのあれを逃したことにより 1時間、次のバスまで1時間だ 「それじゃあ、さ」 先程まで座っていたベンチに 男は座りなおし言う 「僕が君を殺そうとした時の事を話そう」 ああ、めんどくさ G子は思う なんだ、この思わせぶりな ストーリーテ…

最後の修理技師

彼は、仕事場につくなり すぐに、作業をはじめます 基本的にひとりでの作業です 大きな作業場には 所狭しと、壊れたロボット達が 彼は、数少なくなったロボット修理技師なのです かつて 我々人間は、自分たちの仕事を ロボットに奪われまいと、抵抗した時期…

モチのブルーズ

あわてんなよ、つまるぜおもち 急いでいると、なにも見えなくなっちまうんだけど 焼いたって、煮立って そのままだっていいんだ よく噛んで、感じゃだめだぜ 俺をやさしくつつみこんでくれるおもち つまらない日なんてないんだ、おもち

ずいぶんと多忙な家柄

後輩が、会社を休んだ お母さんが、亡くなったそうだ とはいっても 実の母ではなく いわく、「遠くに住んでいる兄弟の義理の母」 なのだそうだ 以前にも、こういうことがあって まあ、この時点で 現代にはめずらしく、大家族的に なってしまっているのだが …

ずっと見てるよ

昼休みに SNSながめててさ 俺が見て、全然面白くなかった映画をさ めちゃめちゃ絶賛してる人がいて 「あんなん、絶賛とかマジでウゼエわ」 とか、周りの席の人とゲラゲラ笑いながら話してた その日の帰り 昼見てたのSNS、また見てたら つまんない映画の人、…

本当にあった事だったら

なにか、悩んでいるんでしょう 彼女は、言った 視線を、天井にとどめながら ああ、まずい でも、もう遅かった それは、私に関することじゃないよね 僕が予約していた back number の曲が、流れる 彼女は、うつむいたママだ 僕は、静かにマイクを、手に取った…

ドラえもんでも無理

やっぱり、書けない もはや、僕には資格がないんじゃないか 年賀状 もう、何年になる そうじをしては、机にむかい 歌合戦の合間に、机にむかい まあ、結局書けない わかっているからだ 書けたとして 送れたとして 「なに」にもならないことを 来年の、豊富 …

最後まで集中できない

友達から聞いてきたという、怖い話の ふたり出てくる登場人物の名前が 「田中」と「山根」で 最後まで、聞けるか自信がない

大全録音時代

電車のなかは、空いていた 7人くらいが横並びに座る席の まんなかより、少しずれたくらいの所に、僕は座っていた 向かいの席に、人はいない 他の席にも、いないようだった とにかく 気になっているには 僕からひとつ空けた所に座っている男の事だ 寝ているの…

画像とか出せるとわかりやすいんですけど

わたし いまだに、携帯電話つかってるんですよ ガラケーですね で それを、つかってて なんか、電波悪いなって と、思ったら なんか、アンテナが握るあたり 本体下部にあるみたいで しかたなく 音出るほうの、上のほうを つまむかたちで、通話してたんですけ…

特殊な入り口

あの、最近特に、涙もろくなったなって話でテレビで、あるじゃないですかこどもが、おつかいにいく様子を撮ったあれとか、ほんとだめで番組の予告とかで先を想像して、もう泣いちゃってるんですよね あれ見てるとこどもの姿を収めようとカメラを持った人が、…

永遠にリスナー

いやあ、ONGラジオのラジオ死期を呼ぶエンマは、やっぱりいい音楽と、最高のトーク本当に、最高だよなずっと、心配だった「シーズン13に、突入するかしないか問題」も無事に、シーズン13に突入しまーす宣言により解消されたしこれで、しばらくは安心できるな…