きようなできごと

記憶力が足りない

ゆっくりと回る洗濯物を、じっくりとただ眺める日々

このまま動けなくて

大変な事になってしまいそうだ

という事は、今までの所二度あった

一度目は

お腹をやられるタイプの風邪をひき

トイレにて、上からも下からも

水分という水分を奪いさられた時

便座に座ったまま、動けなくなり

トイレのドアすらも、ドアの鍵すらも開けられず

薄れゆく意識の中で

「他の家族がトイレに入りたかったら、どうしよう」

とぼんやり考えた、あの時だ

二度目は昨日の事だ

 

かなり気温が高くなるという予報を

軽く受け流して、あまり水分を補給しないままに

外に飛び出してやった

結果、とんでもない量の汗が止まらず

やがて、手は震え、意識は朦朧とした

やはり、夏の水分補給は重要な事だ

 

それ以上に、驚いた事もあった

その日、見かけたおじさん、おじいさんの

ほぼ全員が、スマートフォンをこしこししていたのだ

 

未来は、そこまで来ていたのだった

「おじさんだから」という理由で

スマートフォンを使いこなせないから、買えない

というやつを振りかざし

世の中を渡って行こうとしていた矢先

退路を絶たれた、そんな気持ちだ

 

真夏の太陽は、ぼくらから水分を大量に奪う

最新の機械は、ぼくから「おじさん」になる機会を奪う

 

水分補給には、糖分摂取の過多には気をつけなければならない

スマートフォンを選ぶなら、自分にあった機種を

選択しなければならない

この夏は、「慎重な選択」をする必要があるのだ

 

そんな事言ってねえで、とっとと機種変更しやがれ

と店員はぼくにせまるだろうか

最新機器に、ふりまわされはしないだろうか

夏に生まれ変わるなんて、ちょっとだけ恥ずかしい