3時間天下
大人になるという事について、考えた事はあるか
愛する人を持つとか、守るものを持つとか
そういう話は、いったん置いておこうじゃないか
ぼくが大人になったと思うのは
アイスモナカを、一度に食べきらなくなった
これに勝るものはないのではないかと、考えている
次点で
ゲームを一度に、二本とか買っちゃうし
その日、すぐには開けないし、遊ばない
これを達成した時は
「ああ、そういえば買ってたっけ
買った事に安心しちゃってたわ」
もはや、達成感すらないのであった
それがたとえ
チョコレートだろうが、なんだろうが
一度封を開けてしまったものは
食べ尽くしてしまっていた、ぼくは
あまりにも、あまちゃんだったのだ
それで、アイスモナカの三分の一ほどを
ねじ切り、残りは冷蔵庫にしまった
この圧倒的余裕は
子供の時分には、出てきようもないものだ
大人の階段、かけあがっちまったな、こりゃ
結論を言えば
3時間前にしまった、残り三分の二を
先程食べてしまった
大人の階段に併設されている、下りエスカレーターで
また戻る事になった
もう、大人になれる気は、しない