きようなできごと

記憶力が足りない

意識のある液体

先生、あてくしも稚拙ながらも

イデアってやつを考えてみましたので

ここに記しまする

 

およそ千年以上ぶりに地球に帰還した宇宙飛行士が

たばこを吸ったとたんに、からだがどろどろに

溶けてしまう、そんなお話です

なぜなら、それは

禁煙を促進すべく大気中に

「タバコスウトカラダガトケール」の成分が

含まれていたからなのです

彼が旅立ったのは、およそ千年前

それが大気中に巻かれたのは、800年前

せっかくの、宇宙大冒険をしてきた彼の命

そうも、簡単に奪われていいものでしょうか

 

でも、ぬかりはありません

万が一のために、用意された

「トケタカラダモトニモドール」があります

ただ、この製法がかかれた文書が古すぎて

解読に、500年

生成に、300年かかるってわけです

 

だから、どろどろのままに

また、宇宙へ旅立ってはくれまいか

そういうお話です

 

で、なにが言いてえかっていいますと

宇宙って、広いね

そういうお話です

 

で、なんの話でしたっけ?

 

 

 

 

 

誰もいない星で

崩れかけの建物の中で

テーブルにあったメモに

こう書いてあったのだけれど

だとすると、もしかして

私に人懐っこくついてくる

紫色のどろどろとした意識のある液体は

元は、人間だった

という可能性もあるのだろうか

 

その頃、液体は

彼なりの(彼女かも知れぬ)

精一杯の愛嬌を振りまくのに必死だった