きようなできごと

記憶力が足りない

世界の幕開け

いつも一緒にいたツレが

手のひらの上の、大量の白い錠剤を

ボリボリとやっているの見た時

いよいよ、終わりの始まりか

そう、思った

 

俺達は

それなりに、ヤ・バ・イ事はやってきたし

ヤ・バ・イ橋もわたってきたが

そういう

からだに、ブチ込む方面の事は

できる限り、さけてきた

それでもヤツは言う

「結局、酒で我を忘れるわけだから

何で我を忘れるかは、どうでもいいだろう」

との事だ

 

それでも

それはどういうモノだ、と確認

「俺の頭を、ブーストするモノだ」

とヤツは言う

ブーストして、どっちの向こう側へ

連れてってくれるのだろうか

 

いい加減

ヤツの手から、一粒だけそれを奪い取り

ガシャガシャと、噛み砕いた

 

頭に一筋の強い光が

差し込んだ、ような気がした

いやはや

とんでもない世界が幕開けする予感

 

すると

その途端、ヤツの姿が消え

テーブルの上に、山盛りの白い錠剤だけが残った

 

あとで

調べてもらうと、それは

ただの、砂糖菓子だった

 

ある意味

「あたらしい世界」の扉は開いた

「本当」にヤ・バ・イ「普通」の世界だ