つくりばなし
彼にひさしぶりに会えた
彼は、やせたというレベルを超えて
ちいさくなっていた
そして、私と一緒に働いていた期間の事を
さっぱり、忘れてしまっていた
私は、少しだけ申し訳ない感じで
以前、貸した金の話を切り出した
こんな時になんだけど
忘れてしまっているなら、かなしい、と
彼は、すぐに金を返してくれた
もちろん、そんな金貸していない
彼は、まだ話したそうだったが
さっさと切り上げて、彼と別れた
すぐに、近くのコンビニによって
アプリに課金できるカードを買った
あせっていたのか
予定よりも、多く買ってしまった
罪悪感が、込み上げてくる前に
さっさと使ってしまおうと
スマートフォンを取り出す
そこにうつった、自分が
どうにも、ひどかった
帰りは
月によったから
木星につく頃には
日付は変わっていた