きようなできごと

記憶力が足りない

地球にいい

彼らは一体どういう存在なのか

僕達は、とまどった

 

薄緑色をした球体のそれは

いつの間にか、地球にいた

特に危害を加えてくる事はなかった

 

そして

なにげなく、誰かが

そいつに、手を当てた

すると、そいつは紙を吐き出した

それは、手を当てた人の

頭の中のイメージを、漫画にしたものだった

 

最初のそいつは

たいへん貴重な存在となったが

すぐに、いつの間にかあいつらは増える

やがて、世界中に広まった

 

なにしろ

イメージをことばで伝えるのには限界がある

 

しばらくすると

少し色の違う、そしてできる事の違うあいつらが

少しずつ、増えていった

 

僕は時々思う

こいつらは、一体なにをしにきたのだろうか、と

いろいろな事を、人間のかわりにやってくれる

だんだん、人間がやらなければならない事は減っている

全て、彼らがやってくれるからだ

 

あたらしい侵略なのではないか

武力での制圧ではなく、ゆるやかな共生

以前よりも、地球の緑が増えたと聞いた

地球にとっては、よい事だろうか

 

僕の不安な気持ちを

足元の、薄緑色のやつが

勝手に印刷しはじめて

床は、なんか暗い漫画で埋め尽くされた

 

やがて

気持ちが落ち着く空気を吐き出すやつが

大きく息を吐いた

僕達は、やつの空気につつまれると

だいたいは、寝てしまう

これが、とてもいい睡眠できる効果があった

 

薄れ行く意識のなかで

彼らが、なにやら光りだしたような気がしたが

僕は、眠りに落ちた