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きようなできごと

記憶力が足りない

戦争と平和の

彼女と出会ったのは、オンラインゲームだった

だいたいパーティを組んで遊ぶ、そのゲームで

はじめたばかりだった僕は

ものすごい勢いで、ひとりで戦っていた彼女の

うしろで、勝手に戦っていたら

彼女のほうから、話しかけてきたのだった

 

僕らはすぐに意気投合して

一緒にパーティを組み、ゲーム外で

テレビチャットもするようになっていた

 

彼女は、とてもかわいらしかったが

からだに、コンプレックスがあるという話になった

そりゃあ、生まれた星が違うのだから

僕達とは、少し違うところがあるかもしれないが

そんなのは関係ない

そう言うと、彼女は安心した様子で

僕と会いたい、と言ってくれた

そして、彼女は地球に観光に来る事になったのだ

 

僕は

宇宙船の空港に、彼女を迎えに行ったんだけど

空港の人に聞くと

その時間、一般の船は、全て運行停止なのだそうだ

なんでも、特別な輸送船が来るらしい

空港内は、厳重な警戒がされていた

と、いう事は

彼女も運行停止にあって

この後の便で、来るんだろう

僕は彼女に渡そうと思っている花束を

まじまじと眺め、時間を過ごした

 

 

 

きょうが

まさか、こんな日になるなんて

この宇宙空港の全てを、取り仕切るこの老いぼれにも

 

空港の長である、吉田は朝から落ち着きがない

そして、続ける

 

あれは、私がまだ幼少の頃でした

永遠に続くと思われた、太陽系での戦争の末期です

最後の砦、地球もほとんどの地域が制圧

もうだめか、と思われたその時

ひとりきりで、地球を救い

その戦争を、勝利に導いた女性がいたそうです

それは、太陽系外からの使者

その姿は

私は見た事は、ありませんが

伝え聞くに

巨大な立方体の鉄に似た素材のかたまり

その側面の中心には

人間の顔に似た器官があり

地球の言語も話した、という事です

そして、その顔は絶世の美女

 

ほうら

やってきましたよ

彼女を乗せた、輸送船が

それにしても、なぜこの時期に

80億の星を治める彼女が、なぜいま地球に

そんなのは関係ない

いまは、光の女神と

そして、いまこの地球が存在する平和について

ただ、身を委ねよう

 

吉田は、緊張の汗、あるいは、脂汗を拭い

出迎えにむかった

超大型の輸送船の、到着は間もなくだった