きようなできごと

記憶力が足りない

羊毛をつんだ家、あるいは

そのダンジョンを出ると、夜は明けていた
あたりを、よく確認して
(クリーパーなどには注意して)
その海辺のダンジョンを、後にした

僕は、疲れていたのだ
大量の石炭を、抱えながら
これは、自分の責任でもあった
何も、幸運Ⅲのつるはしで、掘る事はなかったのだ

確かに、僕は疲れきっていたはずだが
いつのまにか、走りだしていた
一刻も早く、あの冷たいシーツを有した
あの硬いベッドに、潜り込みたいのだ
まあ、昼間だから、眠る事はできないのだが

家につくと
荷物を整理したら
(石炭は、もちろんブロック化済だ)
もう、やる事はなくなってしまった
先週の週刊誌は
もう、本当に穴があくほど、読んでしまっていた

空腹をおぼえたが、パンがなかった
小麦を取りに、畑へ出向く事にした

常に考えているのは
小麦を、どう収穫すれば、効率的なのか
という事をだ
まあ、それを考えているうちに
小麦の刈り取りと、種の植え付けは
すんでしまうのだったが

ふいに、考えが浮かぶ
小麦のまわりに、置いてあるたいまつを
ジャック・オ・ランタンに、変えるべきではないか、と
ただ、僕には、カボチャの持ち合わせがなかった
やれやれと、僕はカボチャを取りに行く

カボチャは、思いのほか良くとれた
手早く、たいまつを組み合わせて
ジャック・オ・ランタンに、仕上げると
設置の作業に、入った

僕が、ジャック・オ・ランタンを設置する時
顔を、南向きにする事に決めていた
それは、このカボチャが育つ際
顔が、南向きになるからだった
それは、ほんのささやかな事ではあったが
これに、背く事はできない、と思っていた

この作業が
どれだけ、作物の育成に役立つのかは
僕には、わからなかった

あたりが、暗くなってきたので
家に帰った
結局、小麦を取りにいったはずが
ジャック・オ・ランタンの設置に、時間を費やしてしまった
僕の胃袋は、限界を迎えていた

チェストの底に、残っていたりんごをかじり
冷たいベッドの、冷たいにシーツに潜り込んだ

眠りに落ちる寸前
「明日は、砂からガラスをつくろう」
そう、思った