きようなできごと

記憶力が足りない

きょうは誕生日

「そんな事できるわけねえだろっ」

 

僕は握りしめたナイフを

手首に押し当てた

 

白い壁に血しぶきが

の予定

 

そんなに、出ない血

なにしろ痛い

痛すぎてひざをつく

 

結局、いつもそうだ

あの時も、その時も

なんか血をみていると

せっかく買ってもらった

ロボットのおもちゃを

家の前ですっころんで

ひざがべろっとむけて

ずっと痛いまま箱あけて遊んだ

っていう思い出が出る

 

そしたら

ぶっと

いきなり血ががふきだして

自分の顔にかかった

ああ、これだこれだ

そう思った時には遅かった

ひざがたたない

あと、恐怖なのか

おしっこも出た

 

母は泣いた

僕も泣いた

きょうは、僕の誕生日

いままでで、最高の誕生日