だれも助けてはくれない
「あれ、お酒飲んでないの?」
「そうなんですよね、飲めないんで」
「車できてるとか?」
「いえ、体質です」
「そうなんだ」
「やはり、帰ったほうがいいですか?」
「え、いや大丈夫だけど」
「ああ、ですよねよかったー」
「前の職場でなにか言われたりしたの?」
「そうなんです、でもねしめたんで」
「しめる?」
「全員、強制的に飲めとかいってくるやつは」
「ええ」
「帰り道に手足しばって、二度と二度と
酒を飲むのを強要しないっていう念書かかせて」
「ああ、うん」
「ひとりづつ、黙らせてきたんで」
「うん」
「社長は、そんな事言いませんよね?」
「う、うんうん」
「言うのか、言わないのか、はっきり答える」
「言わない」
「はは、だからこの会社に決めたんすよー」
開始2分、夜は長い