きようなできごと

記憶力が足りない

つくりばなし

彼にひさしぶりに会えた

彼は、やせたというレベルを超えて

ちいさくなっていた

そして、私と一緒に働いていた期間の事を

さっぱり、忘れてしまっていた

 

私は、少しだけ申し訳ない感じで

以前、貸した金の話を切り出した

こんな時になんだけど

忘れてしまっているなら、かなしい、と

彼は、すぐに金を返してくれた

もちろん、そんな金貸していない

 

彼は、まだ話したそうだったが

さっさと切り上げて、彼と別れた

すぐに、近くのコンビニによって

アプリに課金できるカードを買った

あせっていたのか

予定よりも、多く買ってしまった

罪悪感が、込み上げてくる前に

さっさと使ってしまおうと

スマートフォンを取り出す

そこにうつった、自分が

どうにも、ひどかった

 

帰りは

月によったから

木星につく頃には

日付は変わっていた

 

ホームホームセンター

首をつろうとした時

僕の体重を支える

そんな強靭なひも、あるのだろうか

まずは、やせようか

 

いつものように

日曜日、勝手に出勤していた時の事

誰もいないオフィス

さほど時間はかからず、行き詰まる

普段しないけど、散歩なんかしちゃお

まわりもビルだらけなので

人は誰もいません

なんか

みんな、宇宙に移住でもして

僕だけ、置いていかれたかのような静かさ

ふと、自分のオフィスの窓をみると

誰か、こちらをみている

それが、僕なのです

まあ、そんなわけないんです

目が、もうやられてるだけなんです

ぐるぐる歩きまわって

さすがに、オフィスに戻る

帰る時には、夜だから

外の景色でもと、窓から

先ほど歩いたあたりをみると

こちらをみている男性が

僕なわけなんです

 

ホームセンターというのは

なんでもあって

ワイヤーで、フックがついたやつがあって

これを束ねれば、支えられそう

本当によかった

 

会議で資料を発表しなければならない

そのプレッシャーはやがて

こんな妄想を産んだ

 

説明につまったりすると

会議室の普段開かない扉が

勢い良く開いて

そこから鬼が出てきて

私を惨殺する

 

のではないか

という恐怖にさいなまれ

なかば泣きながら資料をつくったものだ

もちろん

そんなものが出てくる扉などない

 

私の魂はまだ会議室にあるのだと思う

 

広告を非表示にする

聞けば、見えてくる記憶の戦い

その時の、僕はといえば

永六輔を思い出したかった

 

大沢悠里の話題のなか

同じように、ラジオをやっている

同じ感じの人が、ほら

 

名前が、出てこない

 

毒蝮三太夫でなくて、荒川強啓でもない

ほら、ほら、ほら

人物のビジュアルは、しっかりと頭の中に浮かんでいた

ラジオなのに、外山アナしかしゃべっていない

という、エピソードも浮かんだ

だが、名前が出てこない

 

これは

僕の記憶と、僕の戦いなのだ

やはり、僕の記憶だけはある

検索したら、すぐにわかる

そんな事は、わかっている

私の戦いは、そんなものではないのだ

余計な枝葉ばかりが、思い出される

せき・こえ・のどに浅田飴

 

もうさ

俺が習った社会の先生なら

あわせて、5点くらいは、くれると思う

 

僕は、天に手を掲げ

記憶が、降りてくるのを待った

それは、まるで

ラジオの電波から、情報を取得しようとする

そんな人いましたっけ

 

その後

なんやかんやあって

僕は、無事、永六輔の名前を思い出す事ができた

 

僕が「物忘れ」をインターネットで、検索したのは

およそ、六日後の事だった

 

 

 

ゆうがた

ビデオカメラを買った

近くの公園で、息子の撮影会

なんだか、うまくピントがあわない

僕は、泣いていたのだ

僕も、こんな感じで父親に撮られただろうか

 

結局

うまく撮れなかった、帰り道

「うまく撮れなくて、ごめんな」

わかるはずもないが、言ってみた

すると、息子は

「いいのよ、いいのよ」

と、手を伸ばし二回僕の背中を叩いた

そんなの、どこでおぼえたのだろうか

 

広告を非表示にする

タイムマシンを忘れて

目が覚めると、そこは病室だった

私は、思い出した

彼と展望台で、話をしていた時

バランスを崩して、柵を超えて落下

運良く着地できたが、頭を打った

頭には、包帯が巻かれている

 

彼と話すようになったきっかけは、一年ほど前

横断歩道を歩いてたら、信号無視した車に

はねられそうになった所を、むかいから歩いてきた

彼に助けられた

 

私は、思い出した

私には、使命があった

彼の過去を変えるため、未来からやってきたのだ

それを、この時代に、戻ってきたとたん忘れてしまっていた

すっかり忘れて、一年も過ごしてしまったため

もう、時間がない

私は、急いで病室を飛び出した

 

未来から来た彼女は、彼を救う事ができるのか

 

 

渋谷の路地

渋谷に、映画を観にきた

それは、彼女が観たいと言っていた映画だった

それは、とても面白くて

帰り道、ふたりで夢中になって、話をした

 

映画には

彼女に似た女優が出ていた話をすると

「あれ、私だよ」と

「そんなわけ」と返すと

彼女は、着ていた服を脱ぎ捨て

さっきまで、みていた映画の中の衣装姿になった

 

さっきみていた映画も

不夜城的な街に、映画をみにいく話だった

僕は、映画の中の登場人物だったのだ

 

You may need now read time

You may need now read time

 

本当に、ありがとう