きようなできごと

記憶力が足りない

こどもの声

土曜の昼間

近所のこども達の声がする

ときどき

笑い声と盛り上がりが

頂点に達した時

爆発的な音がする

まあまあ、うるさい

 

でもまあ

どうしようもないし

仕方ない

 

次の週の土曜

やっぱりその日も

こども達の声が爆発的だった

だが

その日は違った

 

一度目の大歓声

その直後

その歓声を上回る大きな

謎の爆音がしたのだ

 

あとから

考えればそれは

その「こどもの声を録音したものを流している」

ようだったのだ

 

そのタイミングも

その音がするあとに

かぶせるように

数倍の大きさのその音が出ていた

やまびこなんてものじゃない速さで

 

なんというか

その爆音がした後

あたりはシーンとしました

 

その後

再び、こども達の声がすると

やっぱり

かぶさってあの爆音がするのです

 

あたりで

大声を出すこどもはいなくなりましたが

あれが

誰がやっていたのかは不明のままです

 

 

 

これに近い話を

もうひとつ

 

ある男性の家のそばには

保育所がありました

会社に勤めていた時は

さほど気にならなかったのですが

平日の休みの日などは

こども達の声が気になるようになったそうです

 

その後

この男性

会社をやめてフリーターをしていたのですが

持病の悪化からか

亡くなってしまったそうです

 

その部屋からは

大量のデータDVDが発見されて

その中身は

デジタル一眼レフで撮影された

その保育所だったそうです

 

あわせて見つかったメモ書きによると

はじめは

文句を言う時の証拠として

録画していたが

確認をしていると

「もっといい音、画質で」

と思うようになり

いつしか

より高音質、高画質の映像を撮るのが

自分の使命だ

と感じるようになったようだ

 

はじめは

迷惑と思っていたはずなのに

どこから道をはずれたのか

 

友人から聞いた話です