きようなできごと

記憶力が足りない

冷静と重物のあいだ

僕達は、いつだって「冷静」でいなければならない

そういう話だ

 

駅の立ち食いそば屋が好きだ

風、吹きすさぶ冬の駅のホーム

冷えたからだを温めるのは、熱いそば

まあ、夏も食べるし

春も、秋も

 

その日も

立ち食いそば屋へ行った

時間帯がよく、ほどよく空いていた

メニューを選び、Suica で支払う

その一連の動作に、無駄はない

だが、きょうは違った

Suica をタッチする際、小指がボタンに当たる

しかし、そのままの勢いでタッチ

食券はふたつ

 

追加注文するかたちになったのは

れんこんの挟み揚げ

トッピングというよりは、おつまみゾーン

 

頭の中では

「どどど、っどうしようううううう」

となったが

同じ券売機で売っているものだ

どんな組み合わせだって、いいじゃない

ふるえるてで、食券をつかむ

 

注文したものがくる

れんこんのはさみ揚げは、うまかった

今度は、普通に頼もうかな

 

ただ

その日のメインは、えび天重で

「どんだけ、揚げ物好きなんだ」

は、拭えないものになった

 

そば、食べてないじゃん

それは、い・わ・な・い・の