規制
明け方の部屋の中
俺は眠れないでいた
あいつの事が
あたまから、はなれない
テーブルに置いた
端末を手に取り
SNSのアプリをひらく
言ってやらなければ
ならない
手がふるえる
その時
うす暗かった部屋が
外から照らされた
「なんだ?」
ドアが蹴破られて
武装したやつが
こちらに銃を向ける
「端末を置いて、かべに
手をつけろ」
俺はしたがった
「お前は、いま
SNSに書き込もうとしたな?」
「はい」
「それは
同僚に対するものだな」
「なぜ、それを」
「それを書くと
重大な損失が出るという予測が
出ている」
最近では
強力な規制が出ているとは
聞いていたが
ここまできているとは…
2XXX年
かんたんには
ネットに書き込めない
そんな時代
俺は
まだ未遂だったので
罰金と奉仕活動で済んだ
実際に書き込んでいたら…
考えるのも
恐ろしい
僕は
時々こういう文章を
書いては
ブログに書いている
「さて、寝るかな」
その時
うす暗い部屋は
外から照らされた
ドアを蹴破り
だれか入ってくる
「いますぐ
ブログの内容を消せ
さもないと…」