きようなできごと

記憶力が足りない

重要なビデオ映像

最近はね

暗い部屋でひとりでいてね

テレビはつけたまま

ひざをかかえてね

なにかはじめ妖刀ね

 

怖い話のテキストを

読んだり

その朗読の動画を見たり

しているんですよね

 

怖い話に

限らないんだけど

やっぱり

これあきらかに創作じゃん

っていうの

あるんですよね

 

最後のところで

その語り手が死んじゃう

とかね

 

じゃあ

誰が書いているのよ

っていうね

 

それでね

いろいろ考えたんだけど

この創作というのも

実体験をもとにした創作

だったとしたら

って

考えが浮かんだ

 

ようするに

そのまま事実をつづったら

ただの事件なんだけど

それをさ

エンタメ化するわけよね

事実をベースにしながら

ちゃんとフィクションになってるやつ

 

それを

考えはじめたら

なんだか

よけいに怖くなってきちゃってねえ

 

それでね

ぼくが

妻を殺した時の話をね

したいと思う

 

 

 

 

この後

詳細な犯行の様子を

この男がしゃべる

と思われたが

そこで話はとぎれ

映像内で男は

カメラにほうにむかって

倒れる

 

そして

横倒しになったカメラには

もがき苦しんでいる男の様子を

画面端のほうでとらえている

 

薄暗い部屋の中

そのままカメラは

映像を撮り続けているが

時々

おかしな光が映り込む瞬間が

いくつかあったという

 

この映像は

いまも保管されているという