きようなできごと

記憶力が足りない

地球防衛のかなめ

僕は、常々感じていた疑問を

ついに、ハデ丸にぶつける事にしたんだ

 

ハデ丸っていうのは

正式名称は、よく知らないんだけど

前にいた人が、勝手につけた名前が

みんな使うようになって、オフィシャルってのに

なったって話を聞いた

 

なにを聞いたかって言うと

つまり、僕がやっているこれ

この作業は、なにかに役に立っているのか?

という事をだ

 

ハデ丸は

僕の作業のアシスタントを務めるロボットなんだけど

本当のところ、僕は「監視役」なんじゃないか

と思っている

 

ハデ丸は答えた

「それについては、以前からお答えしているように」

ここで、だいたいなぜだかハデ丸は、一息つく

ロボットのくせに

「充分に役に立っている、とお答えしてきました」

いつもの回答だ、よくできました

「先日、具体的にどのような事を行っているか

話してもいい、と政府から通達が来まして」

「えっ」

いつものとは、異なる回答に

質問したのは、僕だけれど、本当に驚いた

「結果から言ってしまえば、あなたは、この星が

直面している危機を回避するために、役立っています」

僕は、なにかとんでもないところに

とんでもない穴に、手を自分からつっこんでしまった

そんな感じがした

 

現在のこの星

いたって、平静をたもっている

ように、見えているが

実際は、毎日、他の星からの襲撃など

様々な、脅威にさらされている

それを、回避するために

多くの人員がさかれてはいるが

ほとんどの人々は、それを知らされずに

おだやかに、暮らしている

が、あなたが

学校から、帰ってきた後

ここで行う作業も

人類を救うために、必要な事なのだ

 

(おじいちゃんが、言うには

かつて、「学習塾」というものがあって

それに似ているらしい)

 

実際

ここで、行われているのは

光るボタンを、タイミングよく押す、や

様々な大きさの四角を、大きい順に並べる、や

あなたのような、学生でも

かんたんに、操作できるよう、簡略化されているが

その先で、わたしのようなロボットが

反抗勢力に対して、攻撃、防御を行っている

 

そして

この作業への適性は、あなたが

この国、いや、この星で一番適正がある

 

なので

あまり、面白くない作業かも知れないが

適当にやったり、さぼっていただいては困る

そういう、作業になっています

 

すらすらと、そこまでしゃべったハデ丸は

少し、疲れた様子だった、ロボットなのに

 

僕は、しばらく考えて

「わかったよ、じゃあ、きょうの分やるよ」

 

きょうの分の作業が、終わり

僕は、センターを出る

そこで、僕は考える

ハデ丸が、言った事はどこまで本当なんだろうか

僕が、こどもなのをいい事に

適当な事をいってやしないか

ただ

僕には、それが本当なのかうそなのか

確かめるすべが、いまのところない

 

夜空を見上げたって

流れ星とやらすら、ありはしない

それでも、あれがなにかに役に立っているならば

それでいいか